デーツ、又はナツメヤシの実と呼ばれている中東のドライフルーツをご存知ですか?
砂糖も添加物も混ざってない天然の甘さが、世界中の人から愛されています。
日本でも輸入雑貨店(カルディ、PLAZAなど)やちょっとお洒落なスーパー(成城石井、紀伊国屋など)でよく見かけるようになりました。
ネット通販では、色々な産地や種類のものが豊富に取り扱われいて、選ぶのも楽しいです。
栄養豊富なミラクルフルーツと呼ばれていますが、
デーツの種類って、いくつくらいあるかご存知ですか?
産地や大きさ、色や風味によって、多種多様に分けられるデーツの種類についてまとめました。
主に日本に流通されているデーツも、中東とアメリカの産地ごとにご紹介します!
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デーツの種類はいくつある?その数は3000!

デーツの種類の数ですが、なんと3000種類もあるということです。
ちょっとビックリですよね。
それらは色やサイズ、食感から抗酸化作用、フィトケミカルと呼ばれるフェノール酸などの含有などで分類されているということです。
細かく分けるとそんなに枝分かれしていくものなのですね。
そのまま食される種類のものもあれば、加工品用に使用される種類もあります。(日本ではオタフクソースの原材料に使われていますよね!)
約400種類のデーツがイランやサウジアラビアに、370種類ほどがイラクに、250種類ほどがチュニジアやオマーン、244種類がモロッコに存在しているといわれています。
他の国々でもそれら以外の種類のデーツを生産しているので、3000種類という膨大な数になるのでしょう。
世界に流通しているのは種類の数は?

3000種類という凄い数に驚いてしまいますが、実際に世界に流通しているデーツの数に絞りますと、ぐっとその数が少なくなります。
そうですよね、さすがに日々3000種類のデーツが世界に流通されているなんで凄すぎますものね。
流通数になりますと、約200~400種類といわれています。
それでも、やはり凄い数です!
種類によって、味・形・色・風味・食感が全て異なるデーツは、気温が50度以上で、雨がほとんど降らない地域で育っていきます。
まさに中東や北アフリカ地方での昔からの砂漠民の貴重な栄養源、奇跡のミラクルフルーツですね。
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主な中東産のデーツの種類

聖書やコーランにも出てくるという、宗教的な意味合いも強いデーツですが、やはり中東で生産されているものが多いです。
日本人がアブダビやサウジアラビアへ行くと、街の至る所にたくさんのデーツが陳列されているのを見て驚くくらいですよ。
そんな中東産のデーツで、主に日本に流通されているメジャーなものをご紹介します。
サイヤーデーツ(Sayer Dates)

イラン産がメジャーなサイヤーデーツです。
イランでは多く供給されている種類になります。
種ありや種なしの両方が流通されています。
見た目は赤みを帯びた焦げ茶のような色をしていまして、断面は黄みがかかっています。
サイズは他と比較して中ぐらいでしょうか。細長い楕円形になります。
風味は、例えるならば黒糖のような濃厚な甘さでして、羊羹のようなイメージですね。
そこまで肉厚でふっくらしているわけではありませんが、中は柔らかいです。
筆者が食した感想は、アメリカ産のデグレットノアを少し硬めにした感じかな、と思いました。
ファレコンデーツ(Falcon Dates)

ファルコンデーツとも呼ばれています。
細長く、肉厚は少なめのデーツです。
しっとりというよりは、ドライ感のある風味を求める人にはぴったりの種類かと思います。
デグレットノア種やサイヤー種などは、黒糖の塊のような部分ごところどころに見つかるのですが、こちらのファレコンデーツにはそういった塊は見受けられないですね。
筆者などは、あの塊が好きなので、それがないのはちょっと淋しい気がするのですが・・。
固めのキャラメルが好きな方などは、かなりハマる種類になると思います。
種があるのが多く流通されているみたいですね。(ちなみにデーツは正しい方法に沿えば、種から発芽させることも可能であります。)
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ピアロムデーツ(Piarom Dates)

こちらは高級と言われる種類のデーツになります。
最高級ともいわれています。
お値段も割と張っていますね。
外側は少し硬めで、しっとりというよりは少し干上がった食感であります。
弾力があり、力強い味です。
中東の方では、家庭用というよりは贈答用で選ばれるデーツの品種です。
外観はシワが寄っていて、スッキリとした甘さです。
男性にもお勧めできるデーツですね。
マジョールのようなふっくらしたタイプとは全く異なります。
イランの南の方で、9月中旬に収穫できるみたいです。
そして、こちらのピアロムデーツは硬めなために水洗いもOKみたいです。
汚れが気になっちゃう人にはお勧めですね。
高級とうたわれていますが、しっとり感が好きな筆者にとっては少し合わない味でした。
クナイジデーツ(Khenaizi Dates)

UAE(アラブ首長国連邦)にて食されていまして、柔らかく甘い品種です。
黒みがかかって、しわのよった外観が特徴になり、黒糖や干し柿を連想させる甘さと食感です。
かなり甘みが強いので、甘いのが好きな方にお勧めできるデーツとのこと。
こちらはかなり甘みに癖があり、デーツを食べ慣れた人向き?という気がします。
なので、デーツを食べ続けている筆者にとってはかなり好きな甘さであります!
カラース種などが、癖の少ない甘みであるのに対して、こちらはちょっとアクの強い甘み・・といった感じですね。
筆者はカラース種などは数粒で飽きがきてしまうのですが、こちらのクナイジ種は延々と食べ続けられました。
ファードデーツ(Fard or Fardh Dates)

自然な光沢のある外観が特徴的なファードデーツはUAE(アラブ首長国連邦)やオマーンで有名なデーツです。
色はダークブラウン。
甘さは控えめで歯ごたえがあるとのことです。
半生タイプのデーツと比べると水分量が少なく硬めのデーツになると思います。
癖がなく、食べやすいデーツではありますね。
カラースデーツ(Khalas Dates)

キャラメルようなマイルドな味が特徴というカラースデーツ。
UAE(アラブ首長国連邦)のデーツみたいです。
甘くて柔らかい食感が人気ということですが、さっぱりと食べたい方にもお勧めであるそうですよ。
癖もなく、万人受けするかのような品種であるかと思います。
筆者は特別ハマった品種ではないですが、キャラメルという例えは合っているなと思いました。色も鮮やかですしね。
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マザファティデーツ (Mazafati Dates)

マザファティデーツは、イランのバム地区の名産のデーツとして有名です。
柔らかな歯ごたえと、瑞々しい食感があり、上品な甘さ。
生のフルーツの味わいを残しているデーツといえるみたいですね。
水分の含有量は、場所や時期により15%から35%と大きく変動するそうです。(他の種類は大体3%以内の変動です)
色は暗めの紫から黒めのものまでありますよ。
筆者も食べましたが、まさに半生デーツ!
黒羊羹を求める方にはピッタリかと思います・・。
もちっと柔らかく、また、果皮の裏側には乾燥した果糖が凝固したようなサクサクの部分がありまして、これがまた美味しいですよ!!
ラビィデーツ (Rabbi Dates)

イラン産の、細長いデーツです。
セミドライで、赤みがかかった黒色ですね。
濃厚な甘さで、品種自体も古くからあるもののうちの一つだそうです。
ハースデーツ

セミドライタイプです。
筆者が食べたものはイランのホルムズガーン県ハジアード市周辺の農場で栽培されたもので、樹上完熟、天日乾燥後の収穫のものでした。
セミドライといっても、ピアロム種のように固めではなく、アメリカ産のハラウィ種のように黒糖のような食感で、噛むとホロっとお口に崩れてくれます。
見た目や大きさは、アメリカ産ザヒディ種を連想させます。
黒糖好きにはお勧めです!
スタメランデーツ(スペルはAstamaran?でしょうか・・)

筆者が食べたものはイランのホルムズガーン県ハジアード市周辺の農場で栽培されたもので、樹上完熟、天日乾燥後の収穫のものでした。ハース種と同じお店のものでしたからね。
サイヤーデーツと似た感じです。
種抜きされていますので食べやすいですが、割としっかり噛まなくてはいけない固めです。
ねっちょりした固さなので、キャラメル好きにはお勧めですね。
しっとり感(マザファティ種やマジョール)や、ほろほろ食感(ハラウィ種やハース種)が好きな筆者にとってはあまり好きな品種ではないです。
サイヤー種やピアロム種が好きな方には、とってもお勧めなデーツです!
味なのですが、少し他のデーツと違う、変わった甘さを感じられました。
(言い方が悪いかもしれませんが、なんというか、ワックスがかかったような・・)
決して不快な味ではないのですが、アメリカの気候では育たないような違うワイルドな味でしょうかね・・。
贈答用のピアロム種では感じられない味ですね。
あまり上品な味ではないなと思います。
ハラスデーツ(Khalas Dates)

こちらもマザファティ種のような半生タイプといったところでしょうか。
とても水分量が多く、蜜を含むねっとりした甘さが特徴です。
筆者も一口食べ、純粋に「あ、おいしい」と感じたデーツです。
バターキャラメルを思わせる味で、中東の富豪達にも好まれている種類のようですよ。
「Khakas」とは、アラビア語で、「充分」(英語でenough, finished) みたいな意味があるそうです。
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日本に流通されていない中東産のデーツは?
日本に流通されているデーツはほんの一部の種類のみです。
400種類も世界に流通されていますが、日本で手に入るのは10種類くらいでしょうか。
日本では手に入りにくい中東産のデーツも、こちらでいくつかご紹介致します!
アンバーデーツ(Amber Dates)

サウジアラビアのアンバーデーツは、聖地マディーナ(メディーナ)での栽培されるデーツみたいです。
大きめのサイズですが、肉厚ではないみたいですね。
シワも目立つ外見ですので、ピアロムやファレコンデーツに近いかもしれません。
聖地マディーナでの有名なデーツといえば、アジュワデーツ(Ajwa Dates)もとても有名でして、コーランに出てくる預言者も口にしていたらしいということで、現地の方々も積極的に食べていらっしゃるみたいです。
マディーナでしか、栽培されていないみたいですね。

色はダークブラウンで、とてもジューシー。
筆者は食べた事はありませんが、ドバイなどに行くと必ず空港で見かけるそうです。
とても食べやすいだけに、日本で手に入らないのが残念ですね。
後述するアメリカ産のマジョールデーツもそうですが、こちらのアジュワデーツも「デーツの王様」と呼ばれているそうです。
2色の色が織り成すサガイデーツ(Sagai Dates)は、

明るい黄金色と茶色をまとっているサウジアラビアで有名なデーツです。
果肉が集めで歯ごたえがあるみたいです。
黒砂糖の塊のような部分が多いのでしたら、筆者好みのデーツかもしれません。
甘みは強めのようです。
マブルームデーツ(Mabroom dates)は、細長く、甘さ控えめのデーツです。
少しねっとりした食感で、色は赤みがかかった茶色ですね。

例えるなら、干し柿のようみたいですよ。
サウジアラビアのスッカリデーツ(Sukkari Dates)は、もっちりというよりは、程よくカリカリしたクリスピーな食感で、中東とヨーロッパで大人気の品種であるそうです。

スッカリとは、アラビア語で砂糖を意味するらしいですが、まさに黒糖の塊のようなデーツといったところでしょうか。
大きさは小ぶりで、噛み応えがあるというよりは、口の中で溶けていく感じのようなデーツみたいです。食べてみたいですね。
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主なアメリカ産のデーツの種類
中東や北アフリカ、東南アジア(特にパキスタン)などのアラブ文化圏での栽培のイメージが強いデーツですが、アメリカでも栽培されているのです。
その90%以上がカリフォルニアの南の地域でつくられていますよ。
カリフォルニアは他にもレーズンやドライいちじくなども有名ですので、ドライフルーツ産地としてアメリカを代表する州になっています。
日本でもよく流通されています代表的な2つの種類をご紹介します。
マジョールデーツ (Medjool Dates):デーツの王様!

出ました、マジョールデーツ!
日本人ならば、このデーツをご存知の方が多いのではないでしょうか?
コストコでも販売されていますので、デーツといえばこちらを思い浮かべる方も多いと思います。
カリフォルニアやアリゾナで栽培されているものがよく日本で流通されていますが、モロッコやパレスチナなどでも栽培されているそうです。
イギリスでは「デーツの王様」と呼ばれているそうで、その大きさ、柔らかな食感、キャラメルのような甘さは、デーツ初心者にとってもハマりやすい魅力的な要素が満載です。
とにかく肉厚ですので、お菓子の材料にするよりは、そのまま食べて楽しむのがお勧めですね。
また、イスラエルで栽培されているマジョール種は、キングソロモンデーツと呼ばれるプレミアものらしく、まさに王様の中の王様というようなデーツでしょうか・・。

日本でも、ドライフルーツ・ナッツで有名なアメ横の小島屋さんで販売されているみたいです。食べてみたいですね。
デグレッドノアデーツ (Deglet Noor Dates):デーツの王妃!

デーツの王妃と呼ばれているデグレットノアデーツも、日本で多く見かけます。
その光沢と、しっとりした食感が特徴ですが、販売店によってまるで違う品種かのような違いが出るのもデグレッドノアの特徴です。
というのも、同じデグレッドノア種でも、アメリカ産とイラン産では大分風味が異なります。
アメリカ産がしっとりした食感ならば、イラン産はよりクリスピーでざっくりした食感といえますね。
筆者の中で、アメリカ産のデグレッドノアが一番キャラメル感が強い品種になるなぁと感じています。(日本に流通している数種類のデーツしか食したことがありませんが・・)
アメリカのスーパーにはデーツやレーズンなどが普通に置いていますが、日常のお菓子としてよく見かけて手軽に購入できるのは、このアメリカ産のデグレッドノア種ですね。
名前の意味ですが、古代アラビア語で、光のデーツという意味らしいです・・。
太陽の光に当たると、中心部が明るく見えることが由来みたいですね。
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ハラウィデーツ(Halawi, Halawy or Halwa, Dates)

明るいオレンジ色が特徴的なハラウィデーツです。
小さめの粒で、黒糖の塊のような粒があり、そこの甘さがたまらない品種かと思います。
筆者はハマりました。かなり好きなデーツです!s
ハラウィという名前は、「sweet」甘い、といった意味があるようです。
ザヒディデーツ (Zahidi Dates)
小ぶりで丸い形をして、黄色味がかかったデーツです。
アラブ地域が原産ですが、1902年頃にアメリカへ導入されたみたいですね。
マジョール種などと比べると、糖分の含有量が少なめらしいです。
筆者が実際食べた時の感想としましては、充分甘く満たされました。
人によっては、アプリコットを思わせるような風味です。
とにかく見た目が鮮やかなオレンジ色で丸みを帯びて可愛らしいので、「デーツの見た目が無理」という人には一番お勧めできる品種かもしれませんね。
カイサーブデーツ (Khaisab Dates)

茶褐色から黒色になる丸みを帯びたデーツです。
UAE(アラブ首長国連邦)が原産であるみたいですね。
UAEでは熟す前に食べられ、アメリカでは熟してから食べられるみたいですよ。
肉質は柔らかく、糖蜜のような濃厚さと芳醇な甘味があります。
黒糖ようかんに似たとろける食感を持っているので、緑茶などには合いますね。
筆者の感想としては、ザヒディデーツがさっぱりした甘さなら、カイサーブデーツはねっとりした甘さという感じですね。
どちらも気分によって楽しめますね。
ブラックアバダデーツ(Black Abbada Dates)

見た目はそのまま、黒いデーツです。
ものによっては暗赤色もあります。
外皮をむいた中身の色は、他のデーツと同じような茶褐色でしたよ。
味はまさにキャラメルのような、あとを引く強い甘さですがしつこさはないです。
糖蜜にも似た甘さですね。
肉厚ではないものの、むちっとした中身が柔らかさを感じさせます。
1938年にカリフォルニアで発見された品種で、チーズとの相性は最高!と言われています。
筆者もチーズを挟んで楽しみました。
ブラックアバダデーツを購入した時に付随していた栄養情報は・・
100gあたりの
カロリーは298Kcal
タンパク質は2.2g
脂質は0g
糖質は65.2g
食物繊維は6.5g
ナトリウムは8.7mg(食塩相当量0.02g)
でありました。
もっともっと、色々な種類のデーツを日本で楽しめるようになれると良いですね!
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